6.1　キャスト

APIクラス，実装クラスは，多重継承をすることになるため， ポインタをキャストするときは，継承の関係に注意してキャストを行わないと， ずれた場所を指してしまうことがあります．

dynamics_castを用いれば問題ありませんが， dynamic_castをサポートしない処理系も多いので，次のようにCast()メンバ関数または，マクロ DCAST で代用します．

 Scene* s = new PHScene;
 PHScene* ps = s->Cast();
 PHScene* ps2 = DCAST(PHScene, s);

6.2　型情報について

Springhead2では，RTTIをサポートしていない処理系でも動くように，自前で型情報を 用意しています．

6.2.1　オブジェクトの型情報

Springheadのオブジェクトのクラスの宣言には，

 SPR_OBJECTDEF???(クラス名);

を書きます．このマクロは，オブジェクトからインタフェースの情報を取得するための関数 GetIfInfo()とGetIfInfoStatic()の宣言，型変換メンバ関数Cast()， オブジェクトの型情報と継承関係の情報を持つ GetTypeInfo()とGetTypeInfoStatic() の情報を生成します．