この章では、
• 外部パッケージを利用する
• ライブラリとヘッダファイルのインストール先を指定する
• ビルド条件を変更する
などに対する設定方法について説明します。
配布されたデフォルト状態のままで構わない場合には、 次の章“ 0.3 ビルド ”に進んでください。
配布キットの中には、".../Springhead/core/src"に次のファイルが含まれています。
CMakeConf.txt.dist |
外部パッケージ導入の設定を定義する。 ヘッダファイル/ライブラリファイルのインストール先の設定 を定義する。 |
CMakeSettings.txt.dist |
ビルドパラメータの設定を行なう。 |
これらのファイルには各設定の既定値が設定されており、 これらの値はcmake実行時に参照され使用されます。
これらの既定値を変更する場合には、上記の該当するファイルを次のような名前で コピーし、コピーしたファイルを編集します(もとのファイルは変更しないでください)。 cmakeは実行時にこれらのコピーされたファイルを優先して参照します。
配布名 | → | 変更する名前 |
CMakeConf.txt.dist | → | CMakeConf.txt |
CMakeSettings.txt.dist | → | CMakeSettings.txt |
[参考]
変数variable に値value を設定するには set(variable "value ") とします。 複数の値を設定するときは、空白文字で区切って並べたものをvalue とします。 途中に空白やセミコロンを含まない文字列ならば引用符は省略できます。 また、${variable }とすると他の 変数の値を、 $ENV{variable }とすると環境変数の値を参照できます。 文字‘#’以降はコメントです。
別途インストールしたパッケージを使用する場合は、 ファイル"CMakeConf.txt"の内容を次のように編集します。
変数CMALE_PREFIX_PATHにパッケージを探索するパスを設定する。
実際に探索するパスは、<prefix>| <prefix>/(cmake|CMake) | <prefix>/<name>* | <prefix>/<name>*/(cmake|CMake)などです。 ここで <prefix> は変数に設定したパス、 <name> はパッケージ名を表します。 詳細はcmakeのドキュメントを参照してください。
ライブラリファイルとヘッダファイルのインストール先を設定する場合は、 ファイル"CMakeConf.txt"の内容を次のように編集します。
変数の設定はGUIからでも行なえます。 ただし GUIでの設定より"CMakeConf.txt"の設定の方が優先されます。 また、GUIでCMAKE_INSTALL_PREFIXを空に設定した場合、 または "CMakeConf.txt"で DO_NOT_GENERATE_INSTALL_TARGET を指
定した場合には、 インストールを行なうためのターゲットルールは生成されません。 なお、"CMakeConf.txt"でCMAKE_INSTALL_PREFIXに空文字列を 設定した場合には、GUIの場合とは異なり、デフォルトのインストールパス (Windowsでは"C:/Program
Files"、unixでは"/usr/local")が 使用されます。
変数CMAKE_INSTALL_PREFIXにインストール先を絶対パスで設定します。 この設定をすることにより、find_package(Springhaed, REQUIRED)として Springhead Libraryを簡単に導入することができるようになります。
実際にファイルがインストールされるディレクトリは
config files | → | ${CMAKE_INSTALL_PREFIX}/Springhead |
header files | → | ${CMAKE_INSTALL_PREFIX}/Springhead/include |
library file | → | ${CMAKE_INSTALL_PREFIX}/Springhead/lib |
です。 これらのうち、ヘッダファイルとライブラリファイルのインストール先は 次の変数を設定することで変更が可能です。 絶対パスまたは ${CMAKE_INSTALL_PREFIX} からの相対パスで指定してください。
ファイル"CMakeSettings.txt"に定義されている変数のうち、 次のものは変更することができます。
OOS_BLD_DIR |
CMakeの生成物を格納する作業場所(ディレクトリ)の名称。 デフォルト値はbuild。 |
LIBTYPE |
生成するライブラリのタイプ。 静的ライブラリの場合はSTATIC、 共有ライブラリの場合はSHAREDを指定します。 WindowsではSTATICのみ有効。 unixでのデフォルトはSHARED。 |
VS_VERSION |
Visual Studioのバージョン。 devenvがPATHに含まれているならば、セットアップ時に 自動的に設定されます。 そうでない場合には、適切な値を設定してください。 |
COMP_FLAGS_ADD |
追加するコンパイルフラグ。 既定値COMP_FLAGSは"CMakeOpts.dist"に定義されています。 |
LINK_FLAGS_ADD |
追加するリンクフラグ。 既定値COMP_FLAGSは"CMakeOpts.dist"に定義されています。 |
その他の変数は変更しないでください。